固定費の見直しとしてまず検討されているものの一つが保険だと思います。
過去の記事でも保険の考え方や見直しの考え方など紹介していますので興味のある方は参考にされてみてください。
今回は保険の見直しの中で「払済保険」という見直し方法について解説していきたいと思います!
・払済保険の仕組み
・払済保険は解約以外の選択肢
Contents
払済保険の仕組み
払済保険とは主に貯蓄型保険の見直し方法の一つです。
以下のイメージ図を参考に説明していきます。
※保険金や保険料、解約金などの数字は説明のために用いたもので具体的な見積もりによるものではありません。

図のように30歳の方が毎月15000円の保険料を支払い死亡保険金額1000万円の終身保険に加入していたとします。
この場合、保険料の払込期間は60歳となっているので、一般的に60歳まで保険料を支払ってしまえば、その後保険を解約した時には保険料として支払った以上の解約金を受け取れるというのが終身保険の仕組みです。終身保険など貯蓄型保険の簡単な仕組みについてはこちらを参考にされてください☟

払済とは「保険料の払込を済ませる」ことです。図の例で言うと40歳時点で保険料の払込を中止して(済ませて)しまいます。
そして、それまでに貯まっている解約金120万円を元手に終身保険200万を購入するイメージです。
このような仕組みのことを「払済保険」といいます。
〇払済保険のメリット・デメリット
・保険料の支払いなく保障が継続する
・払済後は少しずつ解約金が増えていく
・解約するまで解約金は受け取れない
払済保険の活用方法
上記リンク記事の中でも説明していますが、貯蓄型保険の利回りはそれほど高いものではありません。お金の勉強をして固定費の見直しを考えたときに、貯蓄型保険を解約してその分を投資に回したいと考えられる方は多いと思います。
その際、投資の勉強をしていると一般的に「サンクコスト」は気にせず解約をすべきだと言われています。
サンクコストとは埋没費用のことで既に回収不能なコストのこと。
貯蓄型保険であれば、既に支払った保険料がサンクコストに該当します。貯蓄型保険は通常払込期間の途中で解約した場合には元本割れ、つまり支払った保険料より少ない金額しか戻ってきません。
サンクコスト(既に支払った保険料)を意識しすぎると、サンクコストを取り戻したいという気持ちになり見直したいけどやっぱり高い保険料を払い続けるという選択をしてしまうということがよくあります。
ですのでサンクコストを気にせずに解約すべきだと言われているのです。
とは言っても人間どうしてもサンクコストが気になるものです。そういった場合、この払済保険は有効な見直し方法になります。
例えば上図で言えば、払済保険を活用することで、それまで保険料として支払っていた15000円を投資に回すことが出来ます。
さらに、40歳時点で120万円だった解約金(支払った保険料の約7割)も年数が経つとともに増加していき将来的には元本を上回っていきます。
つまり、支払った保険料も将来的に取り戻し、投資もスタートすることが出来るという事です。
①そもそも払済保険の取扱いがない貯蓄型保険もある
②終身保険の低解約返戻金型*の場合、払済保険へ変更しても解約金が元本を超えない
③変額保険の場合、払済保険への変更後も運用次第で解約金は増減する。
①はそもそも取扱いがあるかの確認が必要です。
②ですが低解約返戻金型とは保険料の払込期間中は通常よりも解約金を抑えるタイプのものを指します。最近ではこのタイプの終身保険が非常に多いので、このタイプだと払済保険に変更しても保障が残る以外あまりメリットがありませんので特に注意が必要です
③今回は終身保険を例に取り上げましたが、変額保険も払済保険への変更が可能です。変額保険は変更後も特別勘定で運用しますので、将来的に解約金が増えるかどうかは運用実績次第です。また、10年以内に払済保険へ変更すると解約金から解約控除*が差し引かれますので、払済保険への原資が少なくなります。*解約控除…早期解約のペナルティーのようなもの。
今回は貯蓄型保険の見直しの一つとして払済保険の仕組みを解説いたしました。
契約されている期間や年齢などによってどのように見直しをした方がいいのかは異なりますのであくまで選択肢の一つとしてとらえていただければ幸いです。
もし貯蓄型保険に加入していて見直しをしたいと思われている方がいらっしゃれば参考にされてください♪
では今回はこの辺で(@^^)/~~~