明治安田生命保険の積立保険「じぶんの積立」は2016年の発売以降130万件以上販売されている人気商品です。たまたまだと思いますがここ最近「じぶんの積立」について問い合わせやご相談を頂きました。
ということで今回は「じぶんの積立」について解説していきたいと思います。
・じぶんの積立の内容
・じぶんの積立はおすすめではない!
・生命保険料控除を使うのであれば活用もありなケースも!
積立保険「じぶんの積立」とは?
じぶんの積立の正式名称は「無配当災害保障付積立保険」です。簡単に言えば災害保障のついた積立保険ということですね!

〇保険料払込期間5年・保険期間10年の積立保険
〇保険料払込期間中に死亡(災害死亡以外)した場合は既払込保険料が死亡給付金として支払われる
〇保険料払込期間経過後に死亡(災害死亡以外)した場合は積立金相当額が死亡給付金として支払われる
〇災害で死亡した場合は既払込保険料の1.1倍の死亡給付金が支払われる
〇保険料払込期間中の解約返戻率は100%・保険料払込期間経過後は満期まで徐々に増加し、満期保険金の返戻率は103%
つまり、じぶんの積立は災害で死亡した時に既払込保険料の1.1倍の保障がある以外は払った保険料や解約返戻金が戻ってくるだけなので、保険というよりは単純な積立とほとんど同じです。
そんなじぶんの積立の特徴は以下のような点です。
①保険商品ではあるがいつ解約しても元本割れがない
②年齢・性別に関係なく返戻率は同じ(満期時103%)
③健康状態の告知がないので持病がある方も加入できる
④保険料が生命保険料控除の対象になる
じぶんの積立はおすすめではない理由
結論から言えばじぶんの積立はおすすめと言える商品ではありません。確かに今までの保険商品とは違うメリットもありますが、おすすめといえるほどのものではありません。
まずいつ解約しても元本割れがないという点ですが、保険商品としては画期的な感じがしますが、あくまで保険商品として考えるからです。保障が災害死亡しかないほとんどただの積立と考えれば銀行預金とほぼ変わりません。つまり、いつ解約しても元本割れしないというのはじぶんの積立を選択すべきメリットとまでは言えません。
年齢や性別に関係なく満期まで保有すれば返戻率が103%というのも、これも保険商品で言えばそこそこの返戻率ですが、10年間で103%ということは利回りになおして考えると年利0.38%です。毎回の事ですが積立の保険商品を検討する際は必ず利回りになおして考えるようにしましょう。確かに銀行預金よりはいいかもしれませんが、おすすめと言えるほど高いものかと言えばそうでもありません。
生命保険料控除目的で活用してもいいケースとは?
じぶんの積立はあくまで保険商品なので上記のポイントにあるように生命保険料控除(一般)の対象になります。この枠を使いたいのであれば活用するのもいいでしょう。
※個人年金保険料控除についての記事はこちら☟

例えば、以下のような条件に当てはまる方はじぶんの積立を検討してもよいのではないでしょうか?
〇死亡保障の必要ない方(独身の方など)
〇働きだしたばかりなどで生活防衛資金を貯める必要がある方
具体的に説明していきます。
まず死亡保障が必要な方は死亡保障に加入することで生命保険料控除を活用できますのでわざわざじぶんの積立を検討する必要はありません。ですので死亡保障の必要がない独身の方などはじぶんの積立に加入することで生命保険料控除が活用できるので検討してもよいでしょう。
ではなぜ個人年金で個人年金保険料控除を使うのはおすすめではないのに、じぶんの積立で生命保険料控除を使うのはありなのか?それは「期間」と「元本割れの有無」です。
個人年金は払込満了と受け取りが65歳とかになるのため、運用期間が20年や30年以上と言った長期間になります。これだけの長期間にわたるのであれば個人年金保険料控除のメリットよりも運用により資産を増やすことを考えた方が有利であると言えるからです。そして、個人年金は積立の残り数年間でやっと元本を回復しますが、それまでは元本割れするので一度加入すると長期間にわたって資金が固定されてしまうのでおすすめできません。
一方でじぶんの積立はいつ解約しても元本割れがないのでとりあえず生命保険料控除のために加入しても資金が引き出せずに固定される心配がありません。ただし、運用としてはほとんど増えるものではないのでもう一つの条件として生活防衛資金を貯める必要がある方というのがあります。
いくら生命保険料控除を使いたいと言っても運用としてのメリットがほとんどないことを考えると、生活防衛資金も十分にある方が資産形成の手段としてじぶんの積立を活用する必要性はないでしょう。
ただ、まだ生活防衛資金が貯まっていない方などは「増やす」ことを目的とした運用も必要ですが生活防衛資金を貯めることも絶対に必要です!
そのような方が生活防衛資金を貯めるために銀行預金に貯蓄をしていくのであれば、生命保険料控除が使えるじぶんの積立を活用してもいいでしょう!
いつ解約しても元本割れはしませんので、生命保険料控除を活用しながら生活防衛資金を貯めて、必要金額を達成したり、結婚して死亡保障が必要になったなど、じぶんの積立を活用する必要がなくなれば解約をして銀行預金へ移すといった感じにすれば、活用するメリットもあると考えます。
いかがでしたでしょうか?
基本的にはじぶんの積立も他の貯蓄型の保険商品と同じように資産形成としてはおすすめといったわけではありませんが、場合によっては活用するのも悪くないでしょう。
最後に…
このような保険会社にあまりメリットがない商品はドアノック商品と呼ばれ、この商品への加入をきっかけに他の商品への加入をおすすめされることがあります。(というよりほとんどがそれが目的でしょう)
おすすめされるがままに自分に必要ない保険に加入することのないように十分に気をつけましょう!
では今回はこの辺で(@^^)/~~~