投資信託については過去の記事でも解説しているので、投資信託とは?と思われる方はこちらを参考にしていただければと思います☟

こちらの記事でも投資信託には「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」の3つのコスト(手数料)があることを解説しています。
しかし、実は投資信託にかかるコストはこの3つだけではありません!
ということで今回は投資信託の実質コストについて解説していきます!
・投資信託には隠れコストがある!
・隠れコストを含む実質コストは運用報告書で確認できる!
投資信託の隠れコストとは?!
私たちが投資信託を選択する際には「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」の3つのコストに気を付けるべきであるということは上記リンク記事やこれまでの記事でもお伝えしてきた通りです。
ですので、販売手数料は「ゼロ」のネット証券を活用し、信託報酬の低いインデックスファンドを選択するということはほとんどの方が実践されていることであると思います。
しかし、実は上述した通り投資信託にはこの3つのコスト以外にもかかるものがあります。それは以下のようなものがあります。3つのコストは証券会社のホームページ上で容易に確認できるものでありますが、以下のコストはそこでは確認が出来ません。ですので、よく「隠れコスト」とも呼ばれています。
①売買委託手数料
②有価証券取引税
③その他費用(監査費用・保管費用など)
①売買委託手数料…投資信託が投資する株式などを売買する際に発生する費用のこと。
②有価証券取引税…有価証券の取引にの都度発生する取引に関する税金のこと。
③その他費用
・監査費用…投資信託は原則決算ごとに、監査法人などから監査を受ける必要があり、その監査に要する費用のこと。
・保管費用…有価証券等を海外で保管する場合、海外の保管機関に支払われる費用のこと。
これらのコストは投資信託の決算の都度報告される「運用報告書」でその詳細がわかるようになっています。
運用報告書で隠れコストを含めた実質コストを確認しよう!
まず運用報告書です楽天証券であれば目論見書と同じところに運用報告書も掲載されています。(私が楽天証券ユーザーなので)

出典:楽天証券ホームページ(枠線等については筆者にて加工)
SBI証券では、ぱっと見てわかるところには掲載がありませんでした。(私がわからなかっただけかもしれないのSBI証券ユーザーの方でご存じの方がいらっしゃったら教えてください🙇)
また、「モーニングスター」というサイトでは証券会社に関わらず投資信託の情報を検索することが出来て、目論見書や運用報告書も掲載されているので参考にされてみてください。
では具体的に見ていきたいと思います。今回は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の運用報告書を参考に見ていきたいと思います。以下が運用報告書のコストの部分になります。

出典:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)運用報告書
運用報告書の中に「1万口当たりの費用明細」という項目があります。ここに投資信託のコストについての報告が掲載されています。
(a)信託報酬 (b)売買委託手数料 (c)有価証券取引税 (d)その他費用
(a)信託報酬は3つのコストのうちの1つです。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬は日々の純資産総額に対して年率0.0968%(税抜 年率0.0880%)以内をかけた額となっています。運用報告書によると、今年は計算の結果1万口当たり13円(0.119%)の信託報酬がかかったということになります。
そして信託報酬以外に(b)売買委託手数料は1万口当たり1円(0.012%) (c)有価証券取引税はゼロ (d)その他費用が1万口当たり4円(0.032%)がかかっていることがわかります。
それぞれの詳しい計算方法などは覚える必要はありませんが、これらを合計した1万口当たり18円(0.163%)がeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の昨年度の実質コストということになります。
多くの方はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)のコストとして考えているのは信託報酬の年率0.0968%であると思います。しかし実際にかかっている実質コストは0.163%ということです。
いかがでしたでしょうか?
投資信託の実質コストについてご理解いただけましたでしょうか?
今回参考にしたeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は実質コストでも十分に低水準のファンドでしたが、信託報酬と実質コストには大きな差がある(特にアクティブファンド)なんてものもありますので、投資信託の選択の際に信託報酬だけでなく「実質コスト」も参考にされてみてください。
ただし、運用の結果である「一時点」のものであることはお忘れなく!
では今回はこの辺で(@^^)/~~~