コロナの第2波の影響やアメリカの大統領選挙などの影響で今週は株式市場が下げ相場になっていますね。
長期の資産形成としてインデックス投資を始められた方や投資を始めようと考えられている方は将来必要な時にコロナショックやリーマンショックのようないわゆる暴落してしまったらどうしようと考えられていらっしゃる方もいるのではないでしょうか?
ということで今回はインデックス投資の出口(受取時)について考えていきたいと思います。
・インデックス投資の出口戦略
出口(受取時)で暴落に直面したら?
〇35歳から65歳まで30年間毎月5万円を積立
→積立元本:1800万円 想定利回り:5% 65歳時評価額:約4160万円
上記のように毎月5万円を5%で運用が出来た場合、65歳時点で元本1800万円に対して評価額は4160万円になります。
このシミュレーションでいけば資産形成としては大成功ですが、もし65歳で受け取ろうと思った時にリーマンショック級の暴落が起きたらどうでしょうか?
ちなみにリーマンショックの時は先進国株式で約50%下落しています。
もし65歳時点で50%下落すると評価額は4160万円→2080万円まで下落します。
元本1800万円に対して評価額2080万円ですので、利回りに計算にするとなんと0.9%になってしまします。
インデックス投資の出口戦略
インデックス投資の出口戦略を考える上でまず考えなければいけないのは「なんのためのお金なのか」をしっかりと整理しておくことです。
何のためって老後生活資金じゃないのって思われたと思いますが、大きく言えば老後生活資金なのですが、もう少し目的をはっきりさせておくべきです。
例えば「老後に生活費として毎月取り崩していくお金」なのか、それとも「住宅ローンの繰り上げ返済や住宅の購入などに使うまとまった資金」なのかといった具合です。大まかにわけると「毎月取り崩していくお金」or「まとまって使うお金」なのかということです。
同じ老後に使う資金でも目的の違いによって取るべき戦略が変わってきますので、この点をしっかりと整理しておくことは非常に大切です!
では具体的な方法を説明していきます。
①資産運用を継続しながら定額・定率で資産を取り崩していく
②資産形成の終盤に近づいてきたら安全資産への配分を増やしていく
①資産運用を継続しながら定額・定率で資産を取り崩していく
この方法は「毎月取り崩していくお金」の場合にとる方法です。ポイントは運用をしながら取り崩していくという事です。
また上記の例で見ていきたいと思います。
どのような比較をするかというと65歳時点で4160万円(暴落が来ていないと前提)の積立が出来て、その後毎月15万円ずつ取り崩した場合に65歳以降運用せずに取り崩していった場合と運用しながら取り崩していった場合に資産が何歳まで持つのか(資産寿命)というのを比較していきます。参考:大和アセットマネジメント「人生100年時代シミュレーション」
〇運用せずに4160万円を取り崩していった場合の資産寿命
→88歳2ヵ月
〇積立期間と同じく5%の利回りで運用しながら取り崩した場合の資産寿命
→資産は寿命を迎えることなくむしろ増えていく
→100歳時点で6810万円
上記でも見ましたが65歳の時に仮に50%の暴落が起きてしまうと評価額は2080万円となってしまいます。この状況から定額で毎月15万円取り崩していくと5%で運用をしながらでも81歳で資産寿命を迎えてしまいます。
しかし、例えば資産額の4%を定率で取り崩すと評価額が2080万円の4%ですので年間80万円取り崩すことになります。月額約6.7万円です。
定率で取り崩すと暴落が起きたときに少なく取り崩し、資産の評価額があがればたくさん取り崩せる方法です。この方法の最大のメリットは資産が減りにくいということです。
もっと単純に考えれば5%の期待利回りで4%ずつしか取り崩さなければ永遠に資産はなくならないという事です!※税金等は考慮していません。
ですので、老後に「毎月取り崩していくお金」であれば運用しながら定額・定率で取り崩すことが基本ですが、よりおすすめなのは運用しながら定率で取り崩す方法でしょう!
ただし!定率取り崩しだと取り崩せる金額が変わってきますので、必要な老後生活費などをしっかりと把握して、取り崩すものだけに老後資金を頼らないようにしたり、多く取り崩した時には貯金に回したり、暴落時の取り崩し金額でも生活ができるような準備をしておく必要があるでしょう!
②資産形成の終盤に近づいてきたら安全資産への配分を増やしていく
老後に「まとまって使うお金」に関してはこちらの方法をとるべきでしょう!
理由については最初の例でわかるようにもし暴落が起きてしまったら4000万あると思っていたものが2000万になるので、場合によってはお金が足りないなんてことになりかねないからです。
ですので、このような目的の資金の場合には資産形成をしている終盤になるころには、例えば全世界株式で運用していた資産を少しずつ債券に移したり、もしくは目標の金額まで到達したら一旦現金にして定期預金などで保有するなど安全資産に資産を移すことを考えるべきでしょう!
最後にiDeCoについてですが、iDeCoは受取時に退職所得控除を使うことができることがメリットですが、退職所得控除を利用するという事は「一時金」で受取るということですので、出口についてしっかりと考える必要があります。現状60歳からの受け取りが可能で最長70歳までずらすことが可能です。(2022年以降は65歳まで運用可能で75歳まで受け取りをずらせる)
もしiDeCoを一時金で決まった年齢で受け取る予定にしている方は積立期間の終盤には資産を安全資産にスイッチングして移行するなどする必要があるでしょう!
とくに予定がない方でも受け取りがずらせる年齢が決まっているのでiDeCoの場合は少しずつ安全資産に移すという事を考えた方がいいかもしれませんね!
今回はインデックス投資の出口について解説させていただきました。
出口の時に下落相場来てパニックにならないでいいように今のうちから投資目的を整理して出口戦略を立てておきましょう!
では今回はこの辺で(@^^)/~~~